生まれ変わったおしぼり

50億ドルと発表したばかりの評価損が804億ドルに膨れあがったというのだ。
投資家は怒り、最高経営責任者(CEO)のS・Oはただちに更迭された(退職金は安くなかっただろうが)。 数日後、Cグループは60億ドルの評価損がさらに増えていて、少なくとも百十億ドルに達するが、まだ結論はでていないと発表した。
CEOのC・Pはそれ以前に辞任している。 Cグループの最高財務責任者(CFO)、G・CTがおそらく、アナリストに真実を語った最初の人物だろう。
11月のアナリスト電話会議で、評価損の計上が終わったと確認できるかと質問され、そうは保証できないと答えたのである。 複雑な金融商品の評価は、「まずまずの概算」にすぎず、「4半期末にどうなっているかを示すというより、2週間後にどうなっているかを示しているにすぎない」というのだ。
CグループのCFOが、自社の保有する証券をどう評価すればいいのか分からないと答えたのである。 9月には、市場の主要なアナリストは、サブプライム・モーゲージ関連の損失が200億ドル前後になると推定していた。
3か月たって、CTの発言の後、損失は4千億ドルから5千億ドルになると推定されるようになり、現実にかなり近づいている。 しかし現実はさらに厳しい。
サブプライム・モーゲージ関連は第1撃にすぎないのであり、さらにいくつもの分野で評価損が計上され、2008年の大部分の期間にわたって市場に衝撃を与えることになるのだ。
サブプライム・モーゲージに似ていて、少なくとも同等の規模のある資産には、企業向けローンと社債、商業用不動産モーゲージ、クレジット・カード債権などがある。

地方債すら危険になりうる。 4千億ドルから5千億ドルという予想では、実際の半分信用バブルは違う。
信用は、金融市場が生きていくのに欠かせない空気のようなものだ。 空気が汚染されれば、どこにも逃げ場がない。
信用バブルがどこまで膨らんでいるのかを示す大ざっぱな指標がある。 比較的最近まで、株式、債券、ローン、モーゲージ・ローンなど、実物資産に対する請求権である金融資産の総額は、世界のGDP(国内総生産)にほぼ等しかった。
いまでは、世界のGDPの4倍に近づいている。 金融資産に対する請求権の一種、金融派生商品はいまでは、想定元本の総額が世界のGDPの十倍を超えている。
実体経済の総生産に対する信用の倍率がこのように上昇しているのは、レバレッジが上昇し、金融リスクが高まっていることを示している。 逆ピラミッド型になっているのだ。

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